注射薬室

注射薬室の業務

注射薬の調剤

薬剤師は、電子カルテを用いて検査値、投与スケジュール、併用薬などを確認しながら処方内容の確認、調剤、監査を行います。処方内容に疑問があれば、医師に疑義照会を行い、注射薬の適正使用・適正管理が行われるように努めています。2名の薬剤師が介入するダブルチェック体制を取っており、人為的なミスを未然に防いでいます。

注射薬の供給体制

患者さんに使用する注射薬は、薬剤の取り間違いを防ぐため、患者さん毎に1施用ずつ個別セット(施用単位払い出し)を行っています。また、入院・外来問わず、24時間体制で対応しています。注射薬の払い出しは、処方データに基づき、薬剤の取り揃えからラベル作成、注射箋印刷までオートメーション化にて対応するため、注射薬自動払出装置を2台導入しており、注射薬室業務の効率化を図っています。

注射薬の管理

向精神薬や毒薬など、特に厳重な管理を必要とする注射薬は、数量を正確に把握することが重要です。ID認証を用い、誰が、いつ、どの薬剤を、どのような目的で取り出したかなどの履歴をリアルタイム薬品管理装置を用いて管理しています。この装置は、注射薬の紛失や取り揃えミスを防止する役割も果たしています。

特定生物由来製品は、医療機関において使用記録を20年間保管するよう義務付けられています。以前は、紙媒体での管理を行っていましたが、2014年より特定生物由来製品管理システムを導入し、薬剤名称だけでなく、製造番号や有効期限、数量、作業者などの情報を一元管理しています。

無菌調製:中心静脈栄養(TPN)調製

TPNの無菌調製と設備

TPNは、糖質、蛋白質、ビタミン、微量元素など高濃度の栄養輸液を中心静脈から投与する製剤です。直接、患者さんの体内に投与されるため、TPN調製は清潔な環境下での操作が求められます。当院では、クリーンルームやクリーンベンチを設置しており、無菌設備の中での調製が可能です。配合変化に注意しながら注射薬の特性に応じた調製を行っています。

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